サイよさいなら

絶滅したケブカサイの遺体が凍土から見つかったことを先日書いたが
(「毛深いサイ 罪深い人間」)
今、サイの減少に歯止めがかからない状態だ。

というか、陸上の野生の巨大動物はもう滅びるしかない
と言われているかのよう。
人間のせいで。

ゾウしかり、キリンしかり、、。

キタシロサイは1頭、また1頭となくなるたびに
ニュースになっている。

それは悲しい絶滅のカウントダウンだ。

その1ヶ月前にも1頭死んでいた。


『象にささやく男』(築地書館 2014 中嶋寛訳)の著者ローレンス・アンソニーが
遺作『Last Rhino』で掛け合った相手はウガンダの「神の抵抗軍」。
少年兵、少女兵を使う悪名高い反政府勢力だ。
(アンソニーは絶滅危惧種を殺すことを国際人道法に含めよと国連にも提案している。)
 
彼の呼びかけも空しく野生のキタシロサイは死に絶えた。
(12月にさらに1頭死んで、残るは5頭:
  ケニヤの保護区に3頭、米サンディエゴ動物園に1頭、
 チェコのドヴークラロベ動物園に1頭)。
 
ゾウでもそうだが、密猟はいま武装集団の大きな資金源になっている。
アジアの経済力が伸びて、どんどん高値で買ってくれるからだ。
サイの角は特に中国とベトナム。
 
サイの数が盛り返して保護のうまくいっていたはずの南アフリカまで危なくなってきた。
密猟の急増である。
 

結局2014年も前年を上回り、南アの密猟は1200頭を越えた。
サイの角は象牙よりも高価なので狙われている。
(子供のちいさな角すら手に入れたい密猟者)

アフリカのクロサイの激減グラフとサイの角の交易路:
UNDP: “The Environmental Crime Crisis” 

保護運動 Save the Rhinoによるとアフリカにクロサイは
19世紀、数十万頭はいたが狩猟で盛んに殺された。
1970年には推計65,000頭
1970年代、80年代、アジア、中東で需要が高まり一挙に2,400頭にまで激減。
しかしその後規制で徐々に回復、5,055頭 (IUCN, 2012)。

サイは5種(いま2万5千頭ほど)。

シロサイ約2万頭(その亜種がキタシロサイ5頭)、
クロサイ、インドサイ、ジャワサイ、スマトラサイ。

うち3種が「絶滅寸前」:
クロサイ(5千頭)、スマトラサイ(数百頭)、ジャワサイ(数十頭)

シロサイは地面の草を食べる(graze)ため口が横に「ワイド」としたのを
ホワイトと誤解し、white rhino(シロサイ)と命名、その勢いでもう一つの種を
black rhino (クロサイ)にしてシロクロ付けたまでで、肌の色はいずれも灰色。
クロサイは木の葉っぱなどを食べ(blouse)、シロサイより小ぶり。

いずれにせよアジアが、アフリカのサイ激減の原因。
角が漢方など伝統医療で使われる(成分は人間のツメや毛髪とまったく同じケラチンだが…)。
さらに、特にベトナムだが、サイの角は社会的なステータス・シンボルだそうで、
金やプラチナより高値で取引されたりするらしい。

シロサイの亜種キタシロサイは、いよいよあと5頭となった。

いっぽう増えるいっぽうなのが人間。アフリカでは人口が爆発中。

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