象がいま絶滅まっしぐら。減少に歯止めがかからない。
1日に100頭殺されている勘定という。
野生の象、アフリカにはいま45万頭くらいか。
モザンビークでは密猟によりこの5年で半分に減った。
WCS野生生物保護協会によると5年前の2万頭あまりからいま10,300頭ほどに。
密猟者は、象のすでに激減したタンザニアからやってくるという。
そのタンザニアは過去5年で象のほぼ60%を失う。
原因はやはり象牙ほしさの密猟。
10万9,051頭(2009年)から4万3,330頭(2014年)に。
タンザニア天然資源省の発表(6月1日)。
あるひたむきなアフリカ人の物語(寛兵衛が訳しました):
著者のローレンス・アンソニーは南アフリカ生まれの南アフリカ人。
祖父がイギリスからの移民である。
この本の題名 「The Elephant Whisperer」は誤解を与えやすい。
象と交信できる不思議な能力のある男、
と言っているような語感が英語ではあるのだ。
しかし、本人もそれはきっぱり否定しているし、何より
この本を読んでもらえれば、そうでないことははっきりする。
ケンキョニズム宣言
ケンキョかましてよかですか。
これは、象の気持ちをなんとか理解しようと悪戦苦闘する男の物語であり、
本人も言っているように
ささやくのは象のほうなのである。
そして彼はどこまでも忍耐強く、どこまでも謙虚にこの生き物に接した。
アフリカへの愛着
彼はアフリカの大地、アフリカの自然、アフリカの生き物たちを愛した。
同時にアフリカの精霊や文明や人々への親しみも込めた作品となっている。
ズールー人同士の部族抗争など我々日本人に余り馴染みのない部分も興味深い。
自然のあちこちに霊の宿る世界は、日本人として懐かしささえ覚える。
しかし伝統社会の闇とも言える部分とは彼は果敢に対決する。
もちろん象の密猟者とも。
ハラハラドキドキ
命がいくつあっても足りないような冒険の数々。
そして生き物の命をめぐる切ない逸話が満載。
全編にユーモア、美しい自然の描写、激しいアクション。
象の魅力
読んで初めて知ったという人の多い、象という生き物の神秘、高度な知恵、不思議な能力、
その優しさ、激しさ、そして悲哀。
世界のベストセラー、あなたにお勧めの一書です。https://www.facebook.com/elephant.whisperer.Japan/posts/1007704082573386?notif_t=like