う暗いNATOへたすると核?

ウクライナ情勢、NATOへたすると核?

オバマがブッシュに似て来た?

ウクライナの民主化のためにアメリカは頑張っているのだと言う。民主化と言ってイラクと戦争を始めたブッシュ(というかあとになっての付け足しの理由)だったが、何か重なるものを感じる。やはりアメリカの大統領か。

プーチンを非難するオバマがここに来ていやに好戦的でもある。わざわざエストニアに現れ、NATOの地上部隊派遣を口にしてバルト三国の防衛を強調した。中間選挙を控え国内右派からの突き上げ、オバマ弱腰の批判を抑えたいという事情もあるのだろうが、プーチンのロシアに、下手な真似はするなよと釘をさした形である。

NATOはウエールズで開いた首脳会議で新たに緊急展開部隊の創設を決めた。2~5日で地球上のどこにも展開可能。ポーランドに本部を置き、東の同盟諸国に前方展開(東方展開?)、緊急に増派も行える態勢をとるという。

さらにアメリカは米軍がウクライナ軍と合同演習を行うと発表した。

NATOの拡大が大きな節目を迎えたが、へたをするとロシア・タカ派の思うつぼだと言うのが

ニューヨーク大/プリンストン大のスティーブン・コーエン名誉教授。

コーエンながら講演ではなく、

以下、独立系の米放送局デモクラシー・ナウのインタビューより:

 

ウクライナ内戦、血塗られたアメリカの手

3千人が死亡。大半が市民。はやい身動きのできない、幼い子供を抱えた女性や高齢の女性たち。100万人が難民・国内避難民に。子供たちは学校にもいけない。…まったく起こす必要もなかったウクライナ東部の戦争。たいへんな悲劇。実はアメリカも大いに寄与した。後世の歴史家はアメリカの手も血に染まっていると言うであろう。…

…NATOはウクライナ問題では大きく内部分裂。ロシアに対する好戦派を主導するのがポーランド、バルト三国、…イギリス。対ロシア宥和派は…ドイツ、フランス、スペイン、イタリア。ロシアとはいろいろと経済的にロシアに依存する国々だ。オバマはどこに位置する? …好戦派寄りの演説を数日前エストニアで行ったばかり。

(確かに厳しい口調でオバマは啖呵を切っていた:

「ウクライナ東部を不安定にしたのはウクライナ政府ではなかった。親ロシア分離派が、ロシアから励まされ、ロシアの資金、ロシアの訓練、ロシアの物資、ロシアの武器を得てしたことだ。そして今やロシア軍がウクライナに展開している。それは人道的な作戦でもなければ、平和維持活動でもない。それは、ロシアの武器を持ち、ロシアの戦車に乗った、ロシアの戦闘部隊である」)

…つまり、ロシアがいなければウクライナは安定するのであって、ロシアのせいでウクライナは不安定になったのだ、ということを言っている。しかしまともな人間なら誰もそんなことは信じない。

…そもそもウクライナの今回の内戦の発端は、去年11月の政治危機。そして今年2月、大統領が追放された。選挙で選ばれた大統領であった人物が、通りに繰り出した民衆によって追放されたのだ。それで主として西部と東部の間で内戦となった。…アメリカとロシアの代理戦争ともなりかねない内戦だ。…

アメリカがウクライナの民主化? 笑止千万

アメリカはウクライナの民主化を助けようとしているのだとオバマが言うのは、ちゃんちゃら可笑しい。…今の大統領を選んだとき、国民の2割は投票できなかった。そのポロシェンコ大統領、10月には議会選挙と言うが、内戦の起きた南部や東部では投票する人はいないだろう。…国内の分裂が深まるばかりだ。一方でウクライナ政府は民主主義を抑圧し始めている。共産党は活動禁止。東部が地盤の別の政党も活動禁止。逮捕者も続出。検閲も始まる。キエフに民主主義はないのだ。

…アメリカが民主主義を助けている、正義の味方、すべてはプーチンのせい、というのは半分ウソと言うか、それ以上。要するにウソだ。

米軍、ウクライナ軍と合同演習へ。

オバマはどこまで紛争に巻き込まれるのか? 核兵器?!

 

NATOの動きにロシアはすでに軍事的に反応しつつある。NATOはウエールズでの今回の首脳会議で即応部隊の創設と言い始めた。4000人の部隊。4000人? 5万のウクライナ軍でも1万5千人そこそこの親ロ派反政府軍に勝てないというのに(今回の停戦の直前に親ロ派の猛反撃。歴史的とも言える形勢の逆転。ウクライナ軍は重装備を捨てたまま潰走した)、4000人でロシア軍100万に立ち向かうというのか? そうではなくて、4000人というのは、…基地を作るということだろう。それをロシア国境近くに置く。つまり、バルト三国、ポーランド、ルーマニアだ。

これは画期的なことである。というのも、NATOは東方拡大を20年続けたが、それは主に政治的な拡大であった。東ヨーロッパの国々を政治的に西側に組み込むということ。今回、これが軍事的な拡大に転換するということなのだ。

ということでこれからいよいよ新冷戦を迎える。ただ違いはこうだ。前の冷戦は軍事的にらみ合いの場がベルリンだった。ロシアから遠く離れて。しかし今回は、NATOがその決定通りに動けば、すぐロシアの隣で、ということになる。そうなればロシアは1987年のレーガンとゴルバチョフの歴史的合意を反故にするだろう。中距離核廃絶のINF条約だ。ひとつの部類の核兵器をそっくり捨てるという初めての条約だったが。

…NATOがロシアの国境に迫るとなれば、ロシアは短距離核・戦術核を持ち出して国境を守ろうとするであろう。…ロシアには戦術核兵器が1万発ほどあると思う。…大砲で撃てる核兵器だ。…アメリカは500発ほど。ロシアには、<圧倒的に優位な通常兵器で脅かされたら自分たちは戦術核兵器を使う>と明言する軍事ドクトリンがある。オバマは我々にはロシアより圧倒的に優位な通常兵器があると2度にわたって大見えを切っているが、それはロシアのタカ派の思うつぼ。戦術核を用意せねば、ということになる。

だから、ウクライナをNATOに加盟させれば(とは言え、まだ加盟の条件は整っていない。内戦で自国領土の掌握もままならず、経済・政治・軍事的条件もNATOの加盟規則を満たせないのだ。しかしNATO加盟となれば)、その(核配備の)態勢が整う。引き金はマレーシア機の撃墜のようなことだろう。これはまだ誰がやったことか分かっていない。欧米は発表しない約束のようだ。となれば、親ロ派、ロシアのしたことではない、ということかと思われる。…衛星で監視しているから画像もあるはずだ。でも管制官の会話も発表されない。なぜか? 近くをウクライナ軍のジェット戦闘機2機が飛んでいたことも分かっているが、「わっ、ジェット戦闘機が撃ってきた!」というような会話が録音されていたからか? 誰にも真相は分からない? いや、誰かが知っているのだ。


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