八景水谷みなもに映す秋しずか

訪れる人もまばらにはけのみや 広々として安らぎはここ ♪
Hier findest Du deine Ruh’ ♪

こんこんと湧き出ずるみずはけのみやみなぞこまでもサギ透きとほり

熊本の市民は実に恵まれている。こんなに緑と水の豊かな静かで広々とした公園があって人影もまばら。子供のころから、この町に住みたいと憧れてきた。県北の荒尾という町に生まれながら、小学校は宮崎、中学から鹿児島。宮崎ではいじめに遭いつらい思いをした。夏休みに母に連れられ訪れる熊本。そこで再会する優しい叔母、ユーモアにあふれる叔父、可愛いいとこたち。市電が走り、お城があって、デパートがあって、動物園があって、みんなみんな優しくて、そのままこの町に住みたい、帰るのはいやだ、意地悪で嘘つきで暴力を振るう子らのいる宮崎に戻るのはいやだと、自分の気持ちはなかなか人には伝えられなかったが、どれだけ思ったことだろう。

↓ ↓ ↓ ↓ ↓

自分にはおさな友達というものがない。中学から別の土地に移った。それまでの人間関係はばっさりとついえたし、その土地の言葉、あの独特の言葉(宮崎方言ながら隣接しその統治すら受けた時代もあったらしい鹿児島の方言の影響も強い宮崎最南端の言葉)も、一度もしゃべったことがない。幼くして完全に習得し、いちどは母語の熊本弁を押しのけて自分では日常いちばん使っていた言葉ではあるが、封印したのだ。逃げたと言ってもいい。

生まれ故郷の熊本を旅しながら、自分は自分のあるべきであった少年時代をそこに思い描こうとしているところがある。この公園にしても、ああ、ここで、意地悪をしないであろう子らと一緒に楽しく遊んでいたらどんなに幸せであっただろう、と実際とは違う、別の幼年時代を思い描くのだ。

案内してくれた地元の芸術家の写真。さすがに私のiPhoneとは大違い。

★すきとほるみなもにゆれてしらさぎの美しきかな友が写真は


私より5歳?若い彼は、もう40年近く前、東京で仕事でたまたま知り合った。言ってみれば彼こそが自分のおさな馴染みかもしれない。同じ場所をカメラ片手に彷徨っても違う写真を撮る。私が絵葉書のような写真を撮ろうとするのに対し、彼は、他の人が見過ごしてしまう何ということもないようなところに、美や面白みを見出す名人だ。彼ならこんなのが好きだろうなというのも自分には少し分かる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
   お読み下さり有難うございました
         /\   /\
       m   (_ _)   m
  クリック!         クリック! 
      ↓           ↓
      にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

   誠にお手数とは存じますがどうか
↑クリックをどうかよろしくお願いいたします
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『舎監 Kan』
http://noraneko-kambei.blog.so-net.ne.jp/2015-12-24

タイトルとURLをコピーしました