伊賀上野

関西本線の伊賀上野駅。

古典的な駅舎。「国鉄」の名が似つかわしいこの雰囲気。
正体不明の愚劣な横文字の名前のついた商業施設などもないのが、なんとも嬉しい。
日本がまだ日本であった頃の姿をとどめた懐かしさよ。

←こちらが木津口(きずぐち) こちらが柘植口(つげぐち)→

上野は松尾芭蕉の生地で、あちこちに句碑が建っている。

しかし私の目的は上野城であった。

小さいながら気品のあるお城である。

江戸の上野は、
伊賀の上野の城主、藤堂氏の江戸屋敷があったから
上野と呼ばれるようになったようで、そうであれば
ここが本家なんだからここは「上野」で通して
東京こそ「武蔵上野」とすべきである。

主流のほうは何もつけなくてよろしい。非主流のほうが何かを被せなくてはならない。
だから例えば「女流作家」という言い方は差別的である。
「女医」という言葉はあっても「男医」という言葉がないのも社会の先入観の反映。
医者は普通、男というわけだ。
作家にしても普通は男という偏見。
だから男は「作家」で通すが、女は「女流作家」と言われたりするのである。
「男流作家」などという言葉は存在せず。

これと同じで東京が「上野」ですませて、ここの本家であるはずの上野に
わざわざ「伊賀上野」と言わせているのは、東京の傲慢である。

これは言語学で言うmarkedness。日本語では「有標性」と訳されている。
非主流のほうは「伊賀上野」と有標。主流である東京は「無標」で上野というわけだ。
そのへんが、無標に腹がたつ。

大阪城に次いで日本2位と言われる石垣の高さ。
ウヒョー!高所が苦手の私はここまでが精一杯。

梅かと思えば早咲きの桜であった。
その名も「松前早咲」。

お城でのんびりしすぎたか
目指した店はもう昼飯が終わっていた。
この趣味の良さなら料理もすばらしかったに違いないのだが。

結局、、、

中々の店であった。そうめんも美味。

駅前の句碑

月ぞしるべこなたへ入らせ旅の宿

月を道しるべにこちらの宿へ来なされ
という芭蕉の句だが、私の宿は奈良にとってある

いい味出してる説明板。朽ち果てるまで立っていてほしい。
間違えてもこれをピカピカのものに作り変えてはならぬ。

地図を見ていて残念なことに気がついた

関西本線伊賀駅に愚劣なカタカナ語の商業施設がなくて嬉しい
と冒頭に書いたが、ここにはもう一つ、
伊賀鉄道伊賀市駅というのがあって、
そちらには「ハイトピア伊賀」なる建物があるのであった。

残念!



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