「あそぼい」とは土地の方言で
遊ぼうよ!
と言う意味である。
それとかけての豊肥本線特急「阿蘇ボーイ」
なのである。
昔は近所の子同士、家の前で
「〜ちゃん、あそぼい!」
と声をかけて遊びに誘ったものであるが
いまでは一人で毎日遊び呆けている自分である。
タッチの席で逃した最先端中央の席。
今日は座席の指定はなく早い者勝ち。
この席を占めた隣国の旅行者のスマホに映る数々の画像、映像の構図の素晴らしさよ。
私の席からは空が映らない、両側を一度に収められない、
山や線路がうまく収まらない、、
前日の演奏会といい、タッチの差で幸運を逃している私である。
地震で崩れていた橋はこの先か
立野(たての)の鉄橋。かなりの高さである。
うわっ、逆方向に動き始めたぞ!
逆だよ、逆!
と騒ぎ出す乗客はいなかった
「スイッチバック」
この辺は地形がちょっと複雑
白川と黒川が合流し
外輪山の切れ目を西に流れていく
いよいよ複合火山・阿蘇の中ーー
外輪山の隙間を抜けて火口原(カルデラーー巨大火山の陥没した窪地)の中に入っていく
北側の外輪山が見えてきた
阿蘇山の火口原はいわゆる「阿蘇五岳」を真ん中に
北が阿蘇谷(黒川)
南が南郷谷(白川)
そこで合わせて4万人近い人々が暮らしている
世界最大のトバ・カルデラ(インドネシア)も
日本最大の屈斜路カルデラ(北海道)も湖だし
桜島のカルデラは海(錦江湾)で人は住んでいないのだが
おっ、先頭中央の席の乗客が阿蘇駅で降りるぞ、
熊本駅での失敗を教訓に
すかさずその席に滑り込む私
僅か二駅でも先頭に
と思ったのだが途端に風景がこれまでほどではなくなる
そしてこの席は上下に結構揺れてスマホ撮影に苦労。
でも、撮れた画像を見ると多少の揺れは画質には関係なさそうである。
宮地駅で下車。
ネコ岳の峨々たる山の端。
猫岳ではない。
根子岳である。
阿蘇五岳は↓左(東)から
根子岳、高岳、中岳、杵島(きしま)岳、烏帽子岳。
一番右、三つの瘤のように見えるのは往生岳。
杵島岳と烏帽子岳はその後ろに隠れているようだ。
駅前の樹木や建物、規制というか何か工夫があったら実に見事な眺望だろうに、
いろんなものに邪魔されてよく見えない。
駅から北に10分も歩いたろうか
阿蘇神社にたどり着く
阿蘇山を御神体とする肥後の一宮である
神武天皇の孫という健磐龍命(たけいわたつのみこと)を祀っている
阿蘇神社修復は終わったのかと思っていたが
まだ一部はシートが被せてあった。
日本三大なんちゃら
熊本だと熊本城(三大名城)、球磨川(三大急流)だが
そのほかにもまだあったんだなあ
阿蘇神社の大きな楼門↑
「日本三大楼門」の一つだとか
あと「日本三大松島」(天草)と
「三大馬刺し」というのがあるらしい
知らんかった
宮地駅前で昼食 赤牛レストラン「藤屋」
ローストビーフ丼は一番安くて
一番カロリー少なそうなので頼んだが
牛でもうま!
とはこれいかに
肥後の赤牛というが元々は韓牛との交配らしい
その後輩を和牛に登録したのは昭和19年
とのこと
バスで阿蘇・外輪山へ
伝説によると阿蘇のカルデラも最初は湖になっていた。
そこで神武天皇の孫とされ阿蘇神社に祀られている
健磐龍命(たていわたつのみこと)は考えた。
外輪山ば崩して水ば抜くと良か。
人の住めるごつなるばい!
そこで外輪山を崩そうと、思い切り足で蹴ったところ
そこは山が二重になっていていちばん硬いところだった。
「二重峠」(ふたえのとおげ)という地名が残っている。
山を崩せなかった健磐龍命は転んで尻餅をついてしまった。
大丈夫ですか?!
と人々が駆け寄ると健磐龍命は言った:
「う〜ん、立てんのお」
それで付いた地名が「立野」(たての)である。
健磐龍命はまた往生岳に腰掛け
外輪山の石を的に弓の稽古に励んだという。
「的石」の地名が残っている。
そして放った矢を鬼八なる男に拾わせていた。
鬼八は外輪山で拾った矢を一本一本せっせかせっせか
健磐龍命のいる往生岳に走って届けるのである。
「往生しまっせ」
と言ったかどうかは知らぬが
九十九本の矢を往生岳に届けていい加減イヤになったようだ。
百本目の矢は足の指にはさんでぞんざいに放り投げた。
するとそれが健磐龍命に当たってしまった。
健磐龍命の怒ったの、怒らなかったの、、鬼八をズタズタに切り裂いた。
しかし鬼八の首や手足はまたつながってたちまち元の体に戻る。
健磐龍命はそれをまたバラバラにして土に埋めた。
あちこちに「鬼塚」と称するものが残っている。
阿蘇地方で霜が降りるのは鬼八の呪いとされ
霜宮という神社では今も夏の2か月にわたって火を焚き続けている。
鬼八の傷を癒して怒りをおさめてもらおうという神事である。
鬼八は南のほうに逃れたという言い伝えもある。
気が緩んだか、鬼八、そこで八発、おならをしたとか。
その地は「八屁」と呼ばれた。
今は「矢部」と表記している。
なるほど。豊肥本線と言うわけだ。
高校何年の時だったか
友人と二人でこのあたりを
彷徨ったことがある
50数年前のこと、、
巨大爆発は何万年かに一回。
しかし起きたら九州ほぼ全域が火砕流に埋まる
眼下に阿蘇五岳
仏が仰向けになっている姿とも言われる(左の根子岳が顔)
その右(胸のところ)高岳の標高は1592m(ひごくに)と覚えやすい。
外輪山はストンと切り立った断崖絶壁。壮観である。
↓これは外輪山のさらに外
さらば阿蘇
また来る日まで
駅前の「夢の湯」に浸かって帰るつもりがなんと定休日だった、、
夢の湯は夢のまた夢
遊ぼ〜い
夕焼けが綺麗だった。
またしても先頭の席は逃すも
ソファーのある部屋を独り占め。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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