日本が国連に提出した「核廃絶決議案」。核兵器禁止条約への言及がないなどと不満や反発を表明する発言が相次いでいる。
これまで24年間「唯一の被爆国」日本が毎年提出し採択されてきたが、世界もようやくその正体を見抜き始めたということだ。そもそも、究極的に廃絶しましょうね、と努力目標を掲げるだけで、いつまでにどうやってなどといった具体性も強制力もまったくないしろものなのだから。
今年は北朝鮮の脅威をことさら強調し、安全保障の重要性を強調。一方で7月に採択された核兵器禁止条約には言及すらない。日本は、アメリカという核兵器保有国にその核の傘で守ってもらっていることになっていて、そのご主人様への遠慮、へつらいが過ぎる。そのへんを各国に見透かされてしまったのだ。
なにせ、日本は核廃絶の決議を提出しながら核兵器禁止条約には反対。さらには、北朝鮮には核開発けしからん、圧力を異次元の圧力をと言いながら、インドとは日印原子力協定を結んで核拡散にすら加担しているのだから、反発受けて当然だろう。反発を通り越して軽蔑や怒りかもしれない。
今回国連では南アフリカやブラジルなど核兵器禁止条約の推進国から支持できないという声が相次いだという。去年は日本の決議案の共同提案国だったオーストリアも、この決議案は「核軍縮より各国の信頼醸成が先だとしており、核兵器を禁止する歴史的な合意を反映していない」と、今年は棄権するのだという。
日本の決議案の共同提案国は、現時点で70か国余りだそうだ。去年の108か国を大きく下回っている。27日予定の採決で最終的にどれだけの支持を得られるものやら。
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国連 日本の核廃絶決議案に不満相次ぐ
NHKニュース 2017.10.27
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171027/k10011199741000.html
核兵器保有国や 日本のような核兵器依存国が主張する「現実的な」
「究極的核廃絶」「ステップ・バイ・ステップ・アプローチ」「段階的廃絶」なんて、
行けども行けども下って行かない、だまし絵の下り階段みたいなトリックではないのか。
ICANのホームページにかつてあった騙し絵
『NPT再検討会議決裂 1』
http://noraneko-kambei.blog.so-net.ne.jp/2015-06-02
日本政府が毎年提出する核廃絶決議案は、廃絶する気のさらさらない、時間稼ぎと考えると分かりやすい。(実はオバマの「核なき世界」だってその節がある。「私の生きている間は無理かも」と言っていたのだ。そして核兵器の先鋭化に空前の予算。『原爆は誰が落としたのか オバマ広島演説 騙しの手口』)。安倍政権に至っては隠れ核武装論者とみなしたほうがよほど腑に落ちる(核兵器禁止条約にはそっぽ、原発はやめない(核兵器の原料を確保)、プルトニウムを溜め込む、などなど状況証拠多数)。現実的対応などと言いながら、敵地攻撃論まで展開しようとしているし、核の先制使用を辞さないアメリカ・トランプ政権にどこまでも付いていく姿勢。「全ての選択肢をテーブルに」のトランプを全面支持。
ICANのノーベル平和賞(日本の被爆者らを精神的な柱とし、ピースボートなど日本の団体も参加した運動の受賞)にも祝辞のなかった日本政府。日系英国人カズオ・イシグロの文学賞受賞にはお祝いとお喜びの言葉があったくせに。
「日系の方が…受賞されたことについて心からお祝いを申し上げると同時にお喜びも政府として申し上げたい」
(菅義偉官房長官)
河野太郎外相がフェイスブックに書いた文章はあった。そして、それと一字一句違わないことを「外務省報道官談話」として確か数日遅れで発表したのみ。
その中身たるや、姑息としか言いようがない。ICANの受賞に言及はするものの、そして「喜ばしく」とは言うものの、受賞そのものを祝福したり喜んだりしてはいないのだ。「日本政府は、アプローチが違うとはいえ核廃絶というゴールは共有しています。このような核軍縮不拡散への認識の広がりを喜ばしく思います」。
ゴールを「共有」などと、自分らの立場の売り込みに利用する厚かましさ。「高まる北朝鮮などの核の脅威に現実的な対応をしながら、日本政府は引き続き、CTBTやFMCTなど核保有国を巻き込んだ核軍縮及び不拡散の取り組みを進めていきます」。期限も切らず(加計の獣医学部開設などは「お尻を切る」くせして)「究極的に」廃絶。いつまで言ってるつもりか。いつまでたっても自主的努力目標というそんな政府の「取り組み」ではだめだからこそICANが立ち上がったのではないか!
『この政府はどの国の政府ですか?この運命はどの国の運命ですか?』
http://noraneko-kambei.blog.so-net.ne.jp/2017-10-07
被爆者 サーロー・節子さん ノーベル平和賞授賞式で演説へ ICAN発表
朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/articles/ASKBV5GVSKBVPITB00T.html
ピースボートの川崎哲さん。かつては横浜のピース・デポにおられた。
そしてそのピース・デポの設立者・梅林宏道さんが「核のない未来賞」を受賞。
折しもアメリカでは民主党がトランプに核兵器を議会の承認なしに勝手に使わせまいと法案を準備。
http://www.newsweek.com/democrats-work-stop-trumps-ability-launch-nuclear-strike-north-korea-693684
ゴルフコースにももちろん核のボタンの入ったカバンが持ち込まれる。
池越えは大陸間弾道弾ICBM、パー3のホールは短距離核のイメージか。
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【世界中から非難の目で見られた今年の「核廃絶決意表明」について】
8月9日、長崎式典にて「あなたは、どこの国の総理ですか?」発言をした川野浩一さんも、国連での決議案に対して以下のように言っています。
『(日本の核廃絶決意が)いかに中身がないものか、ハッキリした』 pic.twitter.com/RXmgBaR0Pb— 100%GOVOTE ALL Japan (@100_govote) 2017年10月27日
オーストリアは2014年にウィーンで「核兵器の使用の人道上の影響に関する国際会議」(*)を引き受け、核兵器禁止条約を目指す動きに弾みをつけた「オーストリアの誓約」をまとめるなど、核兵器禁止条約への貢献が大きい。この条約は中堅国家がNGOとタッグを組んで成立にこぎつけた。
核兵器の使用は「どんなものでも」
去年は「どんなものでも」と強調、明記していたが、
今年はその表現が、消えた。
アメリカへの名指しが消えた
アメリカへの従属、隷属、へつらい
「たいへん失望させるもの」
「歴史的な偉業(核兵器禁止条約)に言及していない」
「日本は橋渡しというより分断の役回り」
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*「核兵器の使用の人道上の影響に関する国際会議」
ノルウェーのオスロに続いてオーストリアのウィーンにも出かけて
書いた当ブログ「のら猫 寛兵衛」の記(2014年12月):
今も続く核実験被害とICJ提訴 トニー・デ・ブルム(マーシャル諸島外相)演説
NY 核攻撃のシミュレーション
地上で最も危険な機械
地域的核戦争後の地球的飢餓
核兵器の人道上の影響に関するウィーン会議再録(目次)
美しく青きドナイ なるねん? 核兵器の人道上の影響に関する国際会議(2)
ウィーンの無理の物語♩ 核兵器の人道上の影響に関する国際会議(1)