イスラエルに武器禁輸を!〜世界の著名人の呼びかけ

イスラエルに武器禁輸を!

 
「包括的で法的拘束力のある武器禁輸の実施に直ちに動くよう求めるものである」

イスラエルに対して、かつてアパルトヘイトの南アフリカに対して行われたのと同じような武器の禁輸を行うよう、国連と各国政府に対し呼びかけが行われた。ノーベル平和賞受賞者(6人)や作家、学者、映画監督、芸術家、政治家、宗教家ら、世界の著名人64名が連名で訴えている。2014年7月18日付けで英ガーディアン紙に掲載。(なぜか、私の知る限り日本では一切報道されていない。)

呼びかけはこう始まる。

 

 「イスラエルがまたしてもその軍隊の力を、囚われの身となったパレスチナ住民に対し、とりわけ、封鎖されたガザ地区で、非人道的かつ違法な軍事的侵略行為において、全面的に解き放った。イスラエルがかかる破壊的な攻撃を行っても責任を問われないのは、世界の諸政府と共謀して大規模な軍事協力と貿易を行っているところが大きい。」

アメリカの巨額の軍事援助やイスラエルの武器輸出の規模に触れ、EUや新興国との兵器取引などにも言及したあと、イスラエルの戦争犯罪に関する各国政府の「共犯関係」をこう指摘する。

「イスラエルと武器の輸出入を行い、イスラエルの軍事技術の開発に手を貸すことによって、各国政府は、そこに戦争犯罪を含み、そしておそらく人道に対する罪をも含む可能性のあるイスラエルの軍事的侵略に対し、事実上、明確なお墨付きのシグナルを送っているのである。」

「イスラエルの軍事技術は「戦場で実証済み」として売り込まれ、世界中に輸出されている。各国はイスラエルと貿易や軍事技術の共同開発を進めることで、イスラエルに、国際法の重大な違反をしても罪に問われないという気持ちをいよいよ大きくさせ、パレスチナ占領・植民地化・組織的人権否定のシステムの固定化に手を貸している。我々は国連と世界各国の政府に対して、アパルトヘイト期に南アフリカに対して課されたような包括的で法的拘束力のある武器禁輸措置を直ちに採るよう求めるものである。」

The arms trade and Israel's attack on Gaza | @guardianletters
Letters: The current crisis is a tragedy of Hamas's making and its latest actions only deter the great majority of Israelis

武器禁輸を呼びかけられるとは、かつてアパルトヘイトの南アフリカに対する武器禁輸を破って密かに武器を輸出していたイスラエルにとっては皮肉なめぐり合わせである。しかし、この訴えが日本のメディアで紹介されないのは、まさか安倍首相の「積極的平和主義」に遠慮してではあるまいな。

 

「イスラエルと武器の輸出入を行い、イスラエルの軍事技術の開発に手を貸す」とか「イスラエルと貿易や軍事技術の共同開発を進める」といったくだりは、この5月にネタニヤフ首相と安倍首相の間でかわされた「包括的パートナーシップ」共同声明のまさに向かおうとしている方向そのものである。それが「イスラエルの戦争犯罪を…含む軍事的侵略」にお墨付きを与え「パレスチナの占領・植民地化・組織的人権否定というシステムの固定化」に手を貸すことになるというのは、確かにその通りだと思う。安倍首相の「積極的平和主義」の甚だしい危うさがここでも浮き彫りにされている。

 

「アパルトヘイトへの禁輸」という戦い方は、広がれば効果的だと思う。イスラエルに対する抵抗運動が武装闘争の形をとる限り、イスラエルは国民を守るためと称して、圧倒的な武力で攻撃を続けるであろう。もし非暴力主義に転じることができれば、そしてその一つとしてボイコット、禁輸といった形をとり、じわじわと広がりを見せれば、イスラエルにはこたえるはずである。追いつめられるはずである。

 

しかし我々の敵は、我々の内なる欲、我々もその一部に組み込まれている欲のシステムである。いつかどこかのだれかが演説しているのをテレビで聞いたことがある。ような気がする。こんな感じだった:

「その国は大量のミサイルや大量破壊兵器を持ち、ほかの国が少しでも同じことをしようというそぶりを見せるといろいろ難癖をつける。あくなき利益追求で兵器を輸出し、ノーベル平和賞受賞者が大統領のその国は、人々の平和への希望を抑圧する。このような国およびその欲深く戦争好きの同盟諸国が構成するのが「欲の枢軸」である」

 

 

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