目標をずらし始めたウクライナ東部全土にクリミア奪還

ウクライナがここへきて勝利を確信したのか
戦争の最終目的を変えたようなことを言い始めた
これまでゼレンスキー大統領は
今年2月24日に始まったロシアによる侵攻の
前の状況に戻すということを言っていたのだが
それを
2014年の「マイダン革命」前にずらす
ということかブダーノウ国防省情報総局局長も14日
「ウクライナの領土を完全に回復する」と発言。
ウクライナ国防省ブダノフ情報総局長「戦争は8月に転換点」
Kyrylo Budanov: the War Will Reach a Turning Point in August
5.14.2022 https://gur.gov.ua/en/content/viina-dosiahne-perelomnoho-momentu-v-serpni-kyrylo-budanov.html
ウクライナ国防省ブダノフ情報総局長「大半の戦闘は年内に終わる」
Most of active combat actions will finish by year-end – Ukraine’s intel chief
5.13.2022 https://www.ukrinform.net/rubric-ato/3482624-most-of-active-combat-actions-will-finish-by-yearend-ukraines-intel-chief.html
侵攻開始時(今年2月)の状態まで戻すこと
と言っていた目標が今や
ドンバス地方(ドネツィク・ルハンシク)の
全土の奪還。
クリミヤまでも?!よほど勝利を確信したのか。
NATOからは武器が引き続きどんどん届く。
榴弾砲がけっこうロシア軍に効いているらしい。
ただの大砲かと思っていたら、今のものは
弾にGPS機能が付いていたりして精度が高い。
ロシア軍が鉄道や道路を破壊しても、
軽いから空輸すればいい。
しかし「クリミアの奪還」は
そう容易なことではないらしい。
時間もかかるし犠牲も大きくならざるをえない。
ロシア軍も、いくら兵員や装備が目減している、
生産はできない(制裁で部品がない)とはいえ、
最新のものでなくてよければ旧式のものが
いくらでも残っているそうだし。そこを自覚しての
「極めて困難な長い戦い」
と言うマリャール国防次官か。ゼレンスキーも話し合いは無駄、
その段階は過ぎたと言い放っている。
「ロシアのために出口を探してはならない。
マクロンは無駄なことをしている」

ウクライナ全土を取る?.jpg
 17日/外相

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さらには

 
クリミアを取り戻す

クリミア橋を破壊する
とまで言い始めたウクライナだが、、

↓ ↓ ↓ ↓ ↓

しかしここはロシアやプーチンにとっても
絶対に手放したくない場所。
ロシア帝政時代からロシア人が別荘地にしていたクリミア半島
不凍港のセバストポリ軍港もあった
ソ連時代にはスターリンによって
ロシア人が送り込まれたクリミアだが
(トルコ系のタタール人は中央アジアに強制移住)
フルシチョフ(ウクライナ人)によって
ウクライナのものとされた
(当時はロシアもウクライナも共にソ連
ということで問題にはならず)
半島の付け根は
ウクライナのヘルソン州
ロシアとは陸続きではない
2014年のロシアによる併合で
ウクライナは水の供給を止めた
だからロシアは東側から橋をかけ
鉄道と道路と水道管をつないだのだ
軍事の専門家もここを奪還するとなると
時間がかかるし犠牲も大きいというから
ゼレンスキーもおいそれとは「取りに行く」
ことはしないかもしれないが
軍や世論は抑えが効かなくなる?
そこが怖いところか
プーチンの肝入りで作られたクリミア橋
4年前の開通式にプーチンが姿を見せるや
一斉に写真を撮ろうとする住民
さながらハイルヒットラー
そこをウクライナが「奪還」しようというのだ
(お互いタタール人を追い出しておいてだが、、)
プーチンも必死で応戦すること間違いない?
お互いどれだけの人が死ぬ、、
日本でも、停戦を、交渉をという声はかき消されるようだ。
もうメディアも政治家も学者も国民も、
戦え!支援しろ!もっと武器を!そして
領土を奪い返せ!
と叫んでいるかのよう。停戦を、とか、武器の供与を止めよ、
などと言おうものなら、
あざけりと、ののしりが返ってくる。
これも公正さを欠く酷い記事だと思う。
長老たち「ロシアの言い分を聞くべき」若手専門家が猛反発
毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20220515/k00/00m/030/141000c
はなから和田教授らの言っていることを
とんでもない議論と決めつけているかのよう。
「ロシアの言い分を聞け」とある見出しはまるで
ロシアの肩を持っているかのように際立たせ、
人の命を大切にせよ、の思いは
「ソ連や中共の人民に親近感」といったふうに翻訳され、
「長老たち」へのSNS上の罵声もどきのものまで引用している。
戦争を継続すべきか停戦を交渉すべきか
冷静に議論すれば良いものを。
記事の構成が戦争継続派の詭弁そのもの。
小見出しに「若手 自衛の武力行使は正当と反論」
とあるが、誰も正当ではないなどとは言っていない。
これでは「どっちもどっち論」を
何万かの「いいね」をもらって「論破した」ことになっている
細谷雄一氏と同じ論法である。

マリウポリこそロシア軍に制圧されたかに見えるが(今のところ)
キーウから引いて東部に注力したはずのロシア軍が
ウクライナ第二の都市ハルキウからロシアまで押し戻され、
東部2州では苦戦しつつあるロシア。
ウクライナ側はどんどん兵器が届いて戦果を上げ、
イケイケどんどんなのかもしれない。ついに東部全土の解放
(ドネツク・ルガンスクの
ロシア系住民の「人民共和国」も消滅させよう)
という勢いか
クリミア奪還すら口にし始めた。
当初はロシアの侵略に対する「専守防衛」であった

プーチンは2、3日で首都キーウを落とすつもりだったとか
東部2州も全土を制圧し、さらには南部の
ザポリーシャ州、オデッサ州と占領地を広げ
西はモルドバのロシア系地区につなげて
ウクライナから海を奪うつもりだったという

それがここまで来た

もっと兵器を

今ほしがってるのがこれ
ジェネラル・アトミックス社製無人攻撃機
MQ-9リーパー(「死神」)

「ジェット戦闘機をウクライナへ」
は果たせなかったアメリカの軍需企業
今度は無人殺人機MQ-9「リーパー」の売り込みに躍起
すでにウクライナ政府とも接触済み
無人機MQ9その名も「リーパー」(死神)は
要するに無人戦闘機
ヘルファイヤー・ミサイルを搭載
(ヘルファイヤー=「地獄の業火」)
アメリカはこれでアフガニスタンやソマリアの
一般市民を多数殺傷
という「実績」がある

軍需企業の資金でシンクタンクが運営され
その所長は退役軍人。
ジェネラル・アトミックス社と
ミッチェル航空宇宙研究所もそのような関係。
政府や世論に盛んに働きかける。
新聞広告。議会へのロビー活動。

今はウクライナへの軍事支援を訴える。
無人機「リーパー」の供与もその一つ。
そんなことをしたらエスカレートして核戦争、、といった声は
プーチンのプロパガンダに怖気付いてるだけだと切り捨てる。
NATOが直接介入しさえしなければ大丈夫という開き直り。
兵器の輸出規制を緩和せよと声高に叫ぶ。

アメリカのウクライナ支援の目的が
「ロシア弱体化」へとエスカレートなら、
支援そのものもどんどんエスカレートしてきた。

当初は肩掛け式/携行型ミサイルだったものが
(スティンガーやジャベリン)
リュックに入れて持ち運べるドローン
(スイッチブレーダー)となり
このところは榴弾砲や兵員輸送車、
最新式ドローン(フェニックス・ゴースト)となり
武器貸与法(レンドリース法)は成立するは
400億ドルの追加支援は決めるは。。

ロシア軍が恐れる最新ドローン「フェニックス・ゴースト」の正体
2022.4.29 https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69932

ウクライナなどへの「武器貸与法」成立へ、米国 第2次大戦で威力
2022年4月29日 https://digital.asahi.com/articles/ASQ4Y2J1XQ4YUHBI00F.html

ヒットラーを激怒させた米「レンドリース法」復活へ
追い詰められたプーチンが最悪の決断も
2022年05月10日 デイリー新潮 https://www.dailyshincho.jp/article/2022/05100600/?all=1

米上院、400億ドルの対ウクライナ支援承認 バイデン氏署名へ
2022年5月20日 https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-usa-congress-idJPKCN2N525U

そして軍産の強い味方がアメリカ・メディアだ。
もっと沢山!もっと早く!兵器を!金を!さらなる介入を!

Ukraine wants armed drones. Is the U.S. ready to deliver?
04/27/2022 ポリティコ https://www.politico.com/newsletters/national-security-daily/2022/04/27/ukraine-wants-armed-drones-is-the-u-s-ready-to-deliver-00028317

「現地の兵士が武装ドローンを欲しがっている。
アメリカ政府はその声に耳を貸すのか」

そんなにせかさずともと思うが、
ウクライナ支援どんどん前のめり、
どんどんエスカレートのアメリカである。

ミサイル技術輸出規制はすでに2020年7月
トランプ政権が緩和している。
これによって武装無人機リーパーを
アラブ首長国連邦や台湾にも
輸出できるようになった。

兵器輸出でもっともうけようという促進策、
アメリカの最も殺傷力の高い兵器が
人権侵害国の手に渡ると懸念する議員もいたが、
今は、祖国防衛に燃えるウクライナの兵士なら、
通常1年をかけるドローン操縦の習得も
もっと短期集中型で済ませられるだろうと
軍需企業側では言っている。

専門家の中にはリーパーのような
長距離大型無人機の供与は
これまでの支援とは一線を画する、
いよいよNATOが介入の度を高めると
懸念もある。

「ウクライナの部隊は国際的に禁じられている
クラスター爆弾を今回の戦争で使ったとされ、
ネオナチ的な要員もかなり抱えている。
ウクライナはまた、欧州最大の武器密売市場の
一つでもある。つまり、キーウに届けられる兵器は、
意図せざる相手ーー民兵の手に渡ったり、
外国の他の紛争で使われてしまいかねない」

「ウクライナ(政府)とアメリカの軍需企業との接触が
バイデン政権の了解なしに起きているとは考えにくい」

「ロシア弱体化のためにと
リーパーをウクライナに供与することの危険性(…)
それはプーチンを追い詰め、この紛争が
アメリカとロシアが直接戦い合う戦争
となるリスクであり(…)
核兵器使用の可能性さえ秘める」

Military-Industrial Complex Is Itching to Send “Hunter-Killer” Drones to Ukraine The dangerous, restricted unmanned fighter planes would be a major step up in the arms the U.S. is giving to Ukraine.
May 19 2022 Intercept https://interc.pt/39xYaEa

クリミアの奪還を目指すとプーチンの逆鱗に触れるーー
リーパーの供与はプーチンを追い詰め
大量破壊兵器の使用を招くーーなどと言ったら
これもプーチンを怖がりすぎ
と言われてしまうのだろうか

戦争でもうかる者のいるかぎり
世に戦争の絶えることなし


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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

m(_ _)m

 

最新:

侵攻前の領土回復で「勝利」
戦争終結めぐりウクライナ大統領―
「クリミア含まず」示唆
2022年05月23日 時事 https://www.jiji.com/sp/article?k=2022052200103&g=int

ウクライナのポドリャク大統領府顧問が21日、
停戦に合意する可能性を排除。
領土の譲歩が絡むいかなる合意も受け入れない
と言明。

「(譲歩しても)戦争は終わらない。しばらく休止されるだけだ」、
「ロシアはより残忍で大規模な攻撃を新たに仕掛けてくる」

ウクライナ、停戦の可能性排除 ロシアはドンバスで攻勢強める
2022.5.22 ロイター https://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N2XE03D

最近では、オースティン米国防長官や
イタリアのドラギ首相が即時停戦を呼び掛けていた。

マリウポリのアゾフスターリ製鉄所を完全に制圧したロシアは、
ドンバス地方のルガンスクで大規模な攻勢に出ている。

ゼレンスキー大統領:「ドンバスの状況は極めて困難だ」。

先にウクライナの外相や国防次官は
2014年の前の状態にまで持っていくかのようなことを言っていたが、
ロシア軍がウクライナへの本格侵攻を開始した2月24日
以前の領土を取り戻すことができれば
「ウクライナにとっての勝利と見なす」(ゼレンスキー)。

ロシアが2014年に併合した南部クリミア半島などをめぐっては、
必ずしも奪還を目指さないことを示唆した形。

「戦争は外交を通じて終結することになる」とも。

侵攻前の領土回復で「勝利」 戦争終結めぐりウクライナ大統領―
「クリミア含まず」示唆
2022年05月23日 時事 https://www.jiji.com/sp/article?k=2022052200103&g=int

2022.5.23 追記

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