我が耳を疑うことば避難所の暮らし快適至れり尽くせり

(写真↑は熊本日日新聞『「狭くて眠れない」「暑さがこたえる」…避難いつまで…9千人』

避難所に特に不満はありません冷房付いて皆にベッドも

「快適」「至れり尽くせり」「特に不満等はありません」というのは
8月3日、地震による被災状況を視察するため熊本県を訪れた高市早総理が
氷川町避難所(氷川中学校)の校長室で「被災者との意見交換」を行なった際の
被災者らの言葉である。

首相官邸のホームページにある動画を埋め込んでみる。

高市首相:「、、お困りごととか不安、お聞かせください。
国としてできること、全部やるつもりで参りました
。」

最初の男性 1分20秒外出中に地震が起きて、家が心配になって帰宅して、家がどうなっていて、どうのこうの、、、避難所に移って、、

5分32秒「避難所の生活については特に不満等はありません。もう、本当に、あの、至れり尽くせりで、冷房も効きますし、ベッドも全員、段ボールベッド。最初はあの床に、、足腰の悪い人は、、大変助かりました。、、」

左側の男性(役場の人?)「最初足りなくてすみませんでした」

首相「、、大臣がものすごく頑張って、、」

「ほんと感謝しています」

首相「ほんとお疲れ様でした」

7分20秒から女性:「子供が、、主人の関係で、、段ボールベッドは来るし支援物資は来るし、こんな快適な生活はないと思いました。ほんと涙が出るほど有り難かったです。、、消防団の人たちも早かったです。、、とにかく地元の消防団の人たちの動きが速かったです。、、良かったです。、、家の中が、、消防団の人に命の大切さを教えてもらいました。、、今日はありがとうございました」

10分15秒 2人目の女性:地震が起きた時の家の状況。。家は全壊。最初の日は車中泊。その後、ここの避難所へ。「避難所の生活はもう至れり尽くせりで、もう、快適で。子育ての人は大変だろうなあと、それが私は気がかりです」「自分よりも後の人たちのことを考えてもらいたいです」

14分30秒 3人目の女性:前も宇土で家が全壊。また地震。3日間病院にいた。水はあるけどご飯がなかった。ここに来てからやっと良かったなと。ここはとてもいいです。良くして頂いてます。嬉しいです。ここではほんと助かってます。ありがとうございます。

15分40秒 2人目の男性:「私も10年前被災して、また。(泣く)もう何も言えない。災害支援をしっかりお願いします。もう、それだけです。」

高市総理:「わかりました」16分30秒「体も心も疲れている中お時間をありがとうございました。、、明日は自衛隊の大きな船が来ます。医療関係です。薬とか。皆さんも必要なら言ってください。、、」

左側の男性:「一緒に、頑張って参りましょう」

18分20秒 握手してお別れ

19分30秒から県との?意見交換

首相官邸ホームページより:
総理の一日 令和8年
熊本地震による被災状況視察のための熊本県訪問

令和8年8月3日 https://www.kantei.go.jp/jp/105/actions/202608/03sisatsu.html

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曽倉 哲:私もそのビデオ見ましたよ。

のら猫:ひどいよねこれ。

哲:例外的に恵まれた避難所のようですね。
他では依然として過酷な状況の所が多いのに。
地域によって差が大きい。報道でもそれが分かります。
記録的な猛暑なのに、冷房のない避難所も多くて、
車中泊を強いられる人が後を絶たないらしい。

のら猫:車中避難してた人が亡くなってるしね。

哲:そうです。命の危険に直結する避難生活が続いてるんです。

のら猫:そんな中、よくもまあ、わざわざ状況のいい所を選んで「現地視察」だの
不満をぶちまけそうもない人をわざわざ選んで?「意見交換」だのをやるもんだ。

哲:だから、そこを見透かされて、批判が噴出。
高市総理の支持率も下がり始めているようですよ。

のら猫:支持率低下は、物価やら皇室典範やら他の要因も色々あると思うけど。。

熊本地震48時間後でも整わぬ「TKB」 10年前と変わらぬ避難所
2026/07/30 朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/ASV7Z2DR3V7ZTIPE00QM.html

哲:段ボールのベッドすらなくて、体育館の床の上に段ボールの紙一枚
だったりするわけですよ。床が硬くて、腰や足が痛い。なかなか安眠できない。
災害が起きてずっと何日もしばらくはそういう避難所が多いんですよ。

トイレも断水で使えなかったり、使える時間に制限があったり、
早朝の便所に女性が30~40人も並んだりしている。
地震から2日後の30日にやっと仮設トイレが企業から1台届いただけとかね。

のら猫:人口5万人の宇城市で、備蓄してた段ボールベッドがたった40個。
国の「プッシュ型支援」てやつを待っているけど、いつ届くか分からない。。

哲:雑魚寝(ざこね)の状況はあちこちの自治体で見られます。
宇城市と同じ震度7だった氷川町は、
保管してた折りたたみ式の簡易ベッドが10個足らずだったらしい。

食べ物がパンやおにぎりだけという所や、エアコンが使えない所もある。
車中泊でトイレに行けず、飲み食いを我慢したり。

のら猫:とにかく、とてもじゃないが、「快適」とか、「至れり尽くせり」
などというのとは、あまりにもかけ離れた世界だよね。

哲:10年前の熊本地震では地震で家の下敷きになったりしての「直接死」より
その後の避難生活で体調を崩してのいわゆる「関連死」が多かった。
避難所の環境改善は、10年来の課題だったんですけどね。

のら猫:2016年の熊本地震では、直接死が50人、関連死が228人だった。

哲:関連死が多いというのは、やはり避難所の劣悪な環境が関係してるんですよ。
不衛生なトイレだから、使う回数を減らそうとして水分補給を控える。
それで脱水症状になったりね。
プライバシーもないので、睡眠は不足するし。
食事も炭水化物ばかりで栄養が不足する。。

この秋に防災庁が発足するけど、避難生活の環境改善が大きな課題だね。

清潔なトイレ(T)、
温かい食事を出すキッチン(K)、
段ボールのベッド(B)ーー
このいわゆるTKBの水準を全国的に引き上げるとしている。

先進的なイタリアなどを参考に、避難所・避難生活学会も、
災害発生から48時間以内に避難所の環境を整える「TKB48」を提唱。

しかし、、

被災者、床に雑魚寝…「TKB48」は? 10年前の光景、今も熊本市
2026/08/01 熊本日日新聞 https://kumanichi.com/articles/2020768

床に雑魚寝する状況は解消していない。
熊本市はTKB48を目指したが、今回の地震には間に合わなかった。

「3度の食事はどれも500ミリリットルの水とパン一つ」 プライバシーない雑魚寝、断水でトイレに一苦労…識者「前回の地震から10年。避難所は改革されていない」 2026/08/01 南日本新聞 https://373news.com/news/local/detail/237380

「酷暑日」なのに水がない…熊本地震の被災地で「手足を冷やすだけでも効果」
医師らが語った熱中症予防 

2026年8月4日 東京新聞 https://www.tokyo-np.co.jp/article/506450

1週間で一部の避難所ではようやく段ボールベッドの搬入・組み立てが完了し、
エアコンが稼働し始めた。高齢者が、やっと寝られるようになったと言っている。

体育館一面に段ボールベッド 熊本地震 関係者がリレー作業で設置
2026年8月4日 朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/ASV833V29V83TLVB005M.html

避難所に段ボールベッド、間仕切り 熊本地震1週間
毎日新聞 2026/8/4 https://mainichi.jp/articles/20260804/k00/00m/040/189000c

自治体が、人手不足や混乱で、届いた物資をうまく避難所に配分できてない。
そういう、受け入れ側の問題もあります。

政府のプッシュ型支援が本格化も…被災自治体は受け入れ苦慮 足りない物資も
熊本日日新聞 2026年8月4日 https://kumanichi.com/articles/2021859

のら猫:こういうのを踏まえれば、「至れり尽くせりで不満はない」「快適」
などというのが、ごく一部のーーエアコンが効いて、
段ボールベッドが最速で揃ったようなーー
例外的に良好な状況の避難所の人たちであることは明らか。

哲:政府自民党の回し者か、首相に恥をかかせたくない町役場の忖度か手回しか。
あえて例外的に恵まれた避難所を選び、
不満を述べないであろう人々をわざわざ選んで面会させた、
ということでしょう。

のら猫:回し者というか、そもそも熊本県は保守王国、氷川町長もご多分にもれず
保守系無所属とかで、選挙は自民党の応援で当選、みたいな人でしょう。

SNSじゃ、この冒頭に長々と話した島田という人は氷川町の代表監査委員という
公職にある人だと言って炎上した。同じ役場の仲間内じゃないかと。
そういう「身内」に、いかにも一般被災者の声みたいにして話させ、
それを全国に流す、というのは国民を欺いていると言ってもいいと思うよ。

哲:それで、冷房のない体育館で雑魚寝、パンとおにぎり、トイレを我慢といった
何千人という被災者の状況を覆い隠そうというのなら、あんまりです。

のら猫:「快適」「至れり尽くせり」「不満はない」ーーみんながそうで、
政府の被災者支援の態勢に問題なし、と思われたら他の人たちはエライ迷惑。
大いに改善の余地があるのだから。「特に不満等ありません」だなんて、
冗談じゃない!
そんなんじゃ、いつまでたっても、後進国。
国民が声を上げないことには状況は改善しない。
イタリアとか台湾とか、数時間から2日の間にTKBが揃うという
先進的な所にはいつまでたっても遠く及ばない。

哲:声を上げない国民が悪いんだけど、日本には伝統的に
国民に声を上げづらくさせている独特の空気があるんですね。
そして、そこに付け入って自己責任論なんかを押し付けてくる政治がある。

のら猫:そんな「空気」、戦時中と大して変わらんよ。
「贅沢は敵だ」「欲しがりません勝つまでは」
「権利は捨てても義務は捨てるな」「国が第一私は第二」ーー戦時標語そのものだね。
「意見交換」のなかで女性が消防団のことを仕切りに感謝してたけど、
あれなんか「兵隊さんよありがとう」の世界だよ。

哲:そうですよね。助けてもらってありがたく思うのは、謙虚でごく自然な感情で、
それは否定しませんけど。
日本人特有の「我慢」の美徳みたいなのがあって、
自分だけ、わがまま言っちゃいけない。「お互い様」なんだから、と。
こうしてほしい、ああしてほしい、は、伝統的に日本人には馴染まない。。

のら猫:まったくだね。日本では避難所で不満を言うと、
「被災したのは自分だけではないのにわがままだ」とか
「贅沢を言うな」といったふうで、同調圧力がかかってくる。

哲:それと、台湾やイタリアの進んだ状況なんかがあまり知られていない
ということもあると思います。日本がどんだけ遅れているかということ。
総理と「意見交換」した人たちも、スフィア基準なんて知らないのでは?
被災者の「尊厳」や「人権」を守る国際的な最低基準。
日本がそれを満たせていないんだということ。

のら猫:スフィア基準(「被災者が人権と尊厳と共に生きるための最低基準」1人あたり3.5㎡の空間、トイレは20人に1つ、1日15Lの給水など)というのはオックスファムといったNGOや赤十字が中心になってまとめた基準。熊本は、西南戦争の時の鳩野宗巴とか博愛社とかの医療活動で、日本における赤十字精神の発祥の地と言われるんだから、スフィア基準はもっと前面に押し出してもいいと思う。スフィア基準は熊本地震を機に日本でも達成の機運が高まった、みたいになるといいんだが。

哲:高市総理との面談はスフィア基準を踏まえて要望を出せるような人にやってほしかったですね。

のら猫:私としてはかつて下筌(しもうけ)ダムの建設にひとり最後まで立ち退きに応じずに反対闘争を貫いた小国町の室原智幸みたいな気骨ある人にあの場にいてもらいたかった(笑)。

哲:今年はいよいよ防災庁ができる年でもあるんですが、スフィア基準を完全に満たすようなものはさしあたり出てこない感じですね。

のら猫:高市総理は「できることは全てやるつもりで参りました」なんて
威勢の良さそうなことを言いながら、そこは「できないこと」なんだね。
続きはまた次の機会に。

熊本地震避難者の1割に血栓、エコノミークラス症候群の検診で判明・・・
「避難所環境改善が必要」

2026年8月21日 読売新聞 https://www.yomiuri.co.jp/yomidr/article/20260821-GYT1T00106/

事前防災、スタートライン 防災庁へ現場から注文
2026年7月14日 https://digital.asahi.com/articles/DA3S16502880.html

石破茂前首相“唯一のレガシー”「防災庁設置法」が静かに成立も期待できないワケ
2026/07/16 日刊ゲンダイ https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/390473

最後までお読み下さりありがとうございました。m(_ _)m

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