注目! アラブの春を経て イスラエルの秋?! BDSは効いている!
日本の朝刊が伝えない長官のことばを紹介しよう。
イスラエルの情報機関の元長官がネタニヤフ首相につい先日、衝撃の書簡(11月23日)。
「私はシオニズムの将来を初めて懸念する」
「イスラエルは今(ユダヤ人が)ローマ帝国に対して行ったバル・コクバの乱に突き進んでいる。
この乱の挙げ句(ユダヤ人は)2000年の流浪の旅となったのだ」
これまでのシオニズムには知恵があった、今は宗教的になりすぎ傲慢で愚かだ、本来のビジョン、ユダヤ人のためにイスラエルの地に民主国家を作るというビジョンに戻れと首相を諌め、アラブ諸国との和平交渉を提案している。
イスラエルの情報機関モサドのシャブタイ・シャヴィット元長官、アメリカとの関係は今最悪、ロシアも敵の支持に回りつつあると指摘。注目すべきは、イスラエルに対する世界規模のBDS運動(B=ボイコット、D=投資撤収、S=制裁)が高まりつつある、世界世界に反イスラエルの機運が高まっていると彼が指摘していることだ。
「私は今初めて懸念している。高慢さ、傲慢さが見える。この紛争を性急に聖なる戦争へ転換させようというややメシア的な考え方まである。これまでのところこの紛争は二つの小さな民が一つの小さな土地を巡って繰り広げた一つの地域の政治的な紛争だった。宗教的シオニズム運動の主要な勢力は今や、これを最も恐るべき戦争、すなわち全イスラム世界が我々に敵対する大戦争にしてしまいかねないことをやっきになってやっている」
「国際的なプロセスの重要性の理解が欠落している。右派には見えていない。その愚かさ。・・・「この民はひとり離れて住む。自分を諸々の民の一つに数えない」
(民数記23章9節)」
「歴史が繰り返されようとしている。イスラエルは今、(ユダヤ人が)ローマ帝国に対して行ったバル・コクバの乱に突き進んでいる。ユダヤ人は数世紀国として存在したが、この紛争の挙げ句2000年の流浪の旅となったのだ」
「私が懸念するのは、流浪の民となることを恐怖と思うのが世俗派だけだからだ。世俗派は政治的には中道および左派。流浪とはイスラエルという国が破壊されるということだと理解するリベラルで正気の人々だ」
「宗教的シオニズム運動の人々はユダヤ人は神から選ばれた民だと信じている。その彼らにとっていちばん大切でいちばん聖なるものが土地だ。そのためにはすべてを犠牲にする用意がある。・・しかしそれが破壊されても「自分たちが神に反し罪を犯したから」・・・と、流浪の旅を始め、ユダヤ教を保持し、次の機会を辛抱強く待つ。
メナヒム・ベギン。大イスラエル主義の生みの親の1人。生涯をその夢の実現のために捧げた。しかし、イスラエルの最大の敵、エジプトとの和平の扉が開くと、(ガザ地区と西岸地区を除く)イスラエル領土の3倍もあるシナイ半島を手放し、平和を選んだ。土地より価値のあるものがあるのだ。平和だ。真の民主主義の魂であり礎である平和だ。
イスラエル国民の多くが今、本来のシオニズムを忘れてしまっている。それは、イスラエルの地にユダヤ人のために民主的なユダヤ人国家を作ることだった。・ ・・今の傲然たる政策は、それに反している」
「今のこの状況の悪化を食い止め、流れを逆転させるには、アルキメデスのテコが必要。そのテコを提案しよう。2002年のアラブ連盟の提案だ。・・これをテコに、サウジアラビアとエジプトが主導する穏健なアラブ諸国と交渉するのだ」
「2002年のアラブ連盟の提案を基に話し合いを始める用意があると発表するのだ。サウジもアメリカも我々が呼びかければ必ずや前向きに反応する・・・そして状況が大きく転換する」
「もちろんそれで一夜にして平和が来るとは思わない。・・・しかし、信頼醸成措置となろう。そして将来的に、安全保障に関する合意に至ろう。・・・共存という考え方につながろう」
「このような動きを率先するには、真の、勇気ある指導力が必要。今の政府にそれはない。宗教的シオニズム運動の中心的な分子、右派が、今の政策の立案にかかわっている。シオニズムのビジョンそのものを破壊しかねない愚かな政策だ。今我々に対
して存在する脅威がいかに重大なものか首相が理解するなら、この提案に乗る勇気を見いだすだろう」
http://www.haaretz.com/opinion/.premium-1.628038