福島原発事故後に乳児の心臓奇形の手術件数が全国的に増えている

「福島原発事故後の複雑心奇形の全国的増加」(村瀬香 他/名古屋市立大)

心疾患の発生率に関する事故後初めての全国的なデータ解析である。

1986 年のチェルノブイリ原発事故の後、近隣諸国では先天性心疾患の発生率の増加が報告された。
日本では事故後まだ全国的な調査は行われていなかったが、名古屋市立大学の研究者らが冒頭の表題で研究を発表。
アメリカの学会誌に掲載された。

「解析の結果、乳児(1歳未満児)に対する複雑心奇形の手術件数は、原発事故後におよそ 14.2%
(95%信頼区間:9.3%-19.4%)の有意な増加が認められ、
調査終了時の 2014 年まで高い水準が維持されていました」

「複雑心奇形の発生率の上昇が示唆されました。しかしながら、
 その正確な原因については今後の研究課題です

突発的な影響ではなく継続的影響?

「心臓発生における特定の段階が障害されるような限定的なものではなく、
心臓発生の初期段階が広範に障害された結果生じた可能性があることが示唆されました」

「乳児(1歳未満児)に対する複雑心奇形の手術件数は、福島原発事故後に14.2%有意に増加」

プレスリリースからこの調査を要約するとこうなる。

映像はこの研究を伝える米CBSテレビのニュース。

「福島原発事故後の複雑心奇形の全国的増加 」村瀬香 他 名古屋市立大学
http://www.nagoya-cu.ac.jp/about/press/press/release/files/20190314/310314.pdf

全米心臓学会誌 (JAHA, the Journal of the American Heart Association)
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/JAHA.118.009486

Study links Fukushima disaster to spike in infant heart surgeries https://www.cbsnews.com/news/japan-fukushima-disaster-linked-infant-complex-congenital-heart-disease-health/


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研究はアメリカの学会誌に載り、3大ネットワーク(今でもそういう言い方するのなら)の1つCBSが伝えた。

日本のマスコミでは伝えていないようである。報道自粛という自殺行為中か?

このCBSニュースは面白い。日米の原発事故への反応や認識の違いなども垣間見えるように思うからだ。

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日本ではいたずらに不安を煽ってはいけないといったブレーキ、自己検閲が働くように思う。

CBSが「原発事故に直接起因する死はまだ一つもないとされる」などと言ってしまうのには驚く。

それとこのニュース(よくあることだが)、スタジオの「前説」と現場の記者の報告が食い違っている。見出しの「関連づける研究」とか前振りの「影響あったとする研究(had impact)」(→そこまで研究者は言っていない)と現場記者の「因果関係はまだ不明」が食い違っている。

さらにはレポーターの言う「研究者らは、この調査は被曝が幼児の心臓疾患の原因と証明するものではない関連を示唆しているにすぎない、と釘をさしている」ですら、研究者の言っている以上のことを言ってしまっている勇み足だと思う。というのも研究者は放射能との「関連」については何も言わず、ただ「複雑心奇形の増加が示唆される」「複雑心奇形の増加は心臓発生が 広範に障害された結果生じた可能性が示唆され」るとしか言っていないからだ(少なくともabstractを読む限り)。

NHK衛星のワールドニュースでも日本人の「キャスター」のする「前説」と報告(外国のニュース番組)の齟齬は日常茶飯事。当たり前といえば当たり前だが。なにしろニュースの中身を見ずに解説しているのだから。

CBSニュース:

スタジオ「前説」部分:

地震と津波で福島の原発事故が起きて8年。
これまで放射能が原因とされる死亡例はひとつもない。
そんな中、新たな研究が、原発事故の幼児への影響ありと論じている。(→踏み込み過ぎと思う)

現場報告:

アメリカ心臓協会(全米心臓学会)が今日公表した調査によると2011年の福島事故のあと乳児の複雑心奇形の手術が増加した。
日本の研究者らによると1歳までの乳児の手術の件数が14%の増加。その後4年間も数字は高いまま推移。
しかし、放射線被曝や母親へのストレスが影響したかどうかははっきりしないという。

2011年3月11日、マグニチュード9の地震が日本の北東部を襲った。地震と津波で22,000人が死亡または行方不明。津波は福島第一原発を襲い、原子炉3基を損傷。原子炉の溶融が起き放射能が広範囲に拡散した。日本は福島原発の廃炉に向け今も格闘中。廃炉には数十年を要する見込み。

福島の大半はもう住めるほどに安全だ、放射能も通常のレベルに戻ったと言われても、以前の帰還禁止地域の住民のまだ4分の1しか帰還していない。

研究者らは、この調査は放射能が幼児の心臓疾患の原因と証明するものではない関連を示唆しているにすぎない、と釘をさしている。これまでの死亡例で福島原発事故が原因と明確に特定されたものはひとつもない。

ルーシー・クラフトが東京からお伝えしました。

(→調査の要約を読む限り「関連を示唆」とは言っていないのだが)

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フェイスブックにこの研究のプレスリリースを載せたら、研究の題名に「福島事故」とあるのがよくないのだと言って、科学ではないといってしつこくコメント蘭に書き込んで来る人がいて、ほとほと閉口した。最後には私への誹謗、私が書くとそこへ嘲笑のマークを入れて来る。ほんとうに不愉快で気が滅入った。

福島原発とは関連づけられないのに関連づけているかから科学ではないのだという。合理性がない、科学として難があると。

私は「原因は今後の課題」と明記してあり、「原発事故後に心臓奇形の手術が増えた」「心臓奇形が増えたことが示唆される」とするだけであり関連づけていないから問題ないではないかと何度言っても聞き入れない。

文句があるなら論文の著者や論文を掲載したアメリカの学会や紹介したアメリカの報道機関にやってくれと何度言っても、答えは返ってこない。

自分の都合の悪いこといは答えず無視をして、理屈のとおらない自分の主張だけを、あー言えばこー言って、押し付けてくるする。安倍やネトウヨの卑怯なとこところとなんら変わらない。

私は朝の1時だったか2時だったか、もう寝る、と書いたが向こうは引き下がらない。
他にもこのプレスリリースを記事にしている人はいるだろうになぜ私にだけここまでしつこく言って来るのだ、私に恨みでもあるのかと聞くと、自分は「学術に身を置いた人間」として物申す権利があるのだという。しまいには私が人をミスリードするのがよくないのだと言って非難する。この研究を見ろ!と言って感嘆符(!)を使っているのが良くないなどと言う。

私は福島の帰還禁止地域にも連れて行かれて多分被曝しているだろうからこういう記事には特に関心がある。
こういう研究に為政者や財界の指導者の注意を強く喚起したい気持ちもあるということを伝えたが反応もなし。

その人は嘘もついている。自分の主張を受け入れず反論して抵抗を続けるのは私だけで他では「コテンパンに」やっつけたというのだが、他にこの論文発表をシェアしている人(医師)のフェイスブックを試しにのぞいてみると「著者にお尋ねください」と軽くあしらわれている。

朝起きるてパソコンを開けると、何十とコメントが続いていた。
腹がたつやら血圧が上がるやら。
私のコメントにはあざ笑うかのように笑顔のマークを入れている。
不愉快極まりない。
そんなにこの研究が人目に触れたら困るのか。
人に対する優越感を味わいたいのか。
のら猫を一匹嫌な目にあわせて何が面白いのだ。

 

コメント

  1. noraneko-kambei より:

    さるブログに心奇形の増加と原発事故が「関連している」とする研究があると書いてあったのでコメントを残した。
    「学会も研究も関連があるとは言い切っていません。論文は「原因は今後の研究課題」と言っています。CBSの関連を示唆したかのような伝え方も踏み込みすぎです。論文のアブストラクトには、手術が増えたことで「複雑心奇形が増えたことが示唆されます」「原因は今後の研究課題」とあります。
    ちなみに私は原発大反対です」

  2. noraneko-kambei より:

    私のフェイスブックにつきまとって誹謗を浴びせた人は私をこのような「原発事故と関連づけ」たとする人たちと同一視したのではないかと思えてきた。自分のことを「学術に身を置いたもの」などと言って高飛車に出た手前、引っ込みが付かなくなっているのではないだろうか。私に文句を言うのはお門違いも甚だしい。