国会議事堂正面、私は2列の機動隊車両の間、
あの車道(矢印のあたり)をひとりふらふらさまよっていた。
(朝日新聞の空撮)
議事堂側の歩道には警官のほか人はいない
車道への出入りは止められている
が、なぜか気がつくと私はそこにいた
今考えると不思議なくらいだ
その私の位置からあの大群衆は最前列のあたりしか見えないから
なんだ少ないじゃないか!
と思ってしまった。。みんなどこにいるんだ?!
そこへ「安倍はやめろ!安倍はやめろ!」の大合唱。
そして坂本龍一が目の前で話し始めた。
こんな間近で
マジかよ、と思ったが
< 今日という日はマグナカルタやフランス革命に匹敵する >
というようなことを語る。
歴史的だ。
私に子供がいたら子々孫々、自分らの先祖はあの日、あそこに立っていた
と言えるんだな(人類が存続できたとして)。
15:10
この日私は出遅れていた
日曜日
デモに出遅れ足早に
山手通りを
駅に向かった
このへんに安倍晋三が住んでいる
ものものしくも機動隊だよ
13:35
いざ国会議事堂前へ
千代田線降りた地下鉄
改札は人であふれて身動きとれず
と聞かされ別の出口に向かうしかなく
溜池側に抜けて地上に
坂を上れば国会というところだが関所があった
行く手を阻む警官ら
14:05
「あっちに行きたいんだよ。なんで通さないの!」
どこかのおじさんが詰め寄っている。
「いや、ここまでにして下さい。あっちに行くと危ないですから。安全のため」
と警察官。
「デモやりたいんだよ。安全のためって余計なお世話だよ。戦争やるようになって
殺し合いやるほうがよほど危険だよ。それを止めようってーの。分かる?」
と私は言うところだった。
坂を降りて来る人は通している。結局、上り組にも通過を許してくれた。
首相官邸前を守っている殊勝なおまわりさん。
坂道を上り詰めると左手に議員会館、正面国会。
なんだ!
全然、人いないじゃないか!
私はこの車道を埋め尽くす群衆を思い描いていただけに
がくっときた。
空を舞うヘリの騒音やかましく
市民ぞくぞく議事堂の裏
私も国会側の歩道を歩くことにした。車道を挟んで反対側は
議員会館の前にさまざまな労組が陣取って気勢を上げていた。
この子らの命守らんデモにゆく
母にみなぎる覇気と優しさ
なんか足早でこのお母さん、切羽詰まったものがある。
この子らを戦場に送ってなるものか、といった気迫。
はっとさせられる。
角を曲がると国会図書館前も労働組合の人たちで埋め尽くされていた。
「戦争法案ぜったい廃案!戦争法案いますぐ廃案!いますぐ廃案!」
警察官の規制のなか気勢上げている。
リズムがいい。
私もいっしょに奇声を上げた。
ところが国会側の歩道を通してくれない。
ふたたび押し問答になった。
こんどはどんどん人が溜まってくる。
合唱も起きるが、それ以上、暴力的なことにはならない。
平和を求める人たちだ、暴力的にはならない。
優しい人たちだなとつくづく思う。
デモに来てこれだよ。
警官たちも荒っぽいことはしない。
ここにも子供連れのお母さんがいた。
子供が書いた平和の絵を握りしめている。
気がつけば、私はそこをすり抜けていた。
ここを過ぎれば議事堂正面だ。
と思ったら、そこにまた関所が待っていた。
強行突破を図ろうとした人が数人がかりで止められている。
つかみあい寸前のかなり険悪な雰囲気。
でも何なんだろうなあ、気がつくと私はそこもすり抜けて
冒頭説明した議事堂正面の車道に出ていたのでした。
ここで殴り合いでも始めたら、これがほんとの
車道ボクシング。
いつしか議事堂正面にたどりつく。
反対側の歩道からは太鼓や「安倍はやめろ!」の連呼。
私も声が枯れてきた。
まわりはおまわりさんばっかり
私服警官と自撮りに収まる至福の時
でもないか
15:05
警官といっしょに収まる景観
そしてついに見つかってしまった。
「車道には出ないでください。向こうに戻ってくれますか」
「もどって?こっちから来たんだよ」
「だったら向こうに行って」
「いや、これすごいことなんだよ。歴史が始まる。
というか、始まるかもしれないんだよ。
これから歴史を自分たちで作っていかにゃならんのですよ」
なんかおまわりさん相手に演説でも始めそうになったが
そこへ坂本龍一の演説が始まったのだった。
「若者たち、女性たちが発言してくれているのを見て
日本にもまだ希望があるのかなと思っているところです。本当によかったです」
「憲法は(…)自分たちの命をかけて闘い取ってきたものです。
もしかしたら日本の歴史の中では
命をかけて闘い取ってきたものではないかもしれないけど
今まさにそれをやろうとしている。
イギリス人にとってのマグナカルタや
フランス人にとってのフランス革命が起こっているんじゃないかと
僕は強く思っています」
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「行動を続けていってほしいと思いますし
僕も皆さんと一緒に行動してまいります」
坂本龍一が言うように、自分たちが命がけで勝ちとったものではないかもしれない。しかし、日本人は、先人たちの多くの命を犠牲に、非戦を手にした。その意味で日本人が、命がけというより、多くの命を代償に手にしたものだと思う。そうであればこそ、坂本龍一が言うように、命がけで守っていかなくてはいけないものだ。
さらにケンキョかましてよかですか。非戦の思想とか憲法とか9条とか、それは、ただお題目のように唱えていれば良いというものでもない。それをさらに磨いて、深めて、進化させる。思想的にも制度的にもより強固なものにする必要がある。その努力をこれまで怠ってきたのではないのか。それがあってこそいわゆる安全保障環境の変化にも対応できようというものだが、逆にそれを弱めることは一貫して行なわれてきた。その挙げ句の果てが安倍政権の安保法制なのだ。
市民社会を代表するNGOの活動、軍事技術で商売をしない企業、海外へ派兵しない、武力行使をしない「軍隊」。日本の平和主義を具現してきたこれらを安倍政権は無残にもかなぐりすて、軍事立国に突き進む。経済的な国益を追い求める欲望に突き動かされながら、そのような国益も結果的には損ない、安全と言いながら大きな危険を自ら招き込み、美しい国をめざすと言いながら、逆に山河は破れ道義的な地歩も失ってしまうという、国のあり方の大転換を現政権はとげようと躍起になっている。これは国民自らの手で止めなくてはならない。
デモに今回参加しなかった人も、次回出向いてみてはどうだろう。是非、お勧めする。一市民として。だって市民一人一人が主役。一人一人が参加。民主主義ってそういうことだよ。
あの空から撮影された群衆の一人一人がもし「私ひとりがデモに加わったからといって、大勢に何の変化があるだろう」と不参加を決め込んでいたら、あれだけのデモにはならなかったはずだ。
そもそも選挙のときだって「自分のたかが一票で選挙の大勢に一体どう影響ある」と一人一人が思っていて、こんなことに今なってしまってもいるのだから。
民が立ち上がった。さあ、生きていこう。
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