そこまで言うかい氷の融解

「グリーンランド生まれ」
 
私はグリーランドのすぐ近くで生まれた。
 
「ほんとに?!」
と言われるかも知れないが
本当である。
 
「グリーンランド」と言う名前の遊園地。
今ならそのすぐ近くだが
私の生まれた頃はまだそんなものもなかったふるさと熊本ではある。
 
「グリーンランドと北極の氷に関してはこの11年
 衛星を使った高度の測定が可能になりました」
 
とデンマーク・グリーンランド地質学調査プロジェクト の ジェイソン・ボックス教授。
 
そしてグリーランドはこの10年で氷の融解率が2倍になっていると言う。
 
地球の海面上昇へ寄与するグリーランドの氷解。その水の放出量は
この5年で倍以上に増えたそうだ。
 
氷の融解、海面の上昇。
下手すると、もう人間が今更どうしようと手遅れで、
この動きはもはや止めることが出来ないといういわゆる
「暴走」レベルにまで来てしまったのかもしれない。
 
人間が暴走資本主義に走っているあいだ、気候変動の暴走も
もう押しとどめることのできない所まで来てしまったのか?
 
氷解のビデオで疑問も氷解?
 
まずはこのビデオをご覧じろ。
 

 
奔流となって溶け出す氷床
氷が溶けて出来た無数の湖
その数は増える一方
 
湖は水色
まわりは真っ白の氷
湖は太陽の熱を集めてさらに氷を溶かす
 
温暖化集めて速し氷床の滝
 
溶けた水は奔流となり
流れ着く巨大な穴
そこから奈落の底に
おびただしい量の水が滝となって
凄まじい勢いで流れ込む
 
壮観であると同時に
奈落の底をのぞくようで
薄気味悪い
 
あそこで足を踏み外し
飲み込まれたら…
と思うと
こちらの背筋が凍る
 
滝は千年万年の氷を垂直に穿ち
グリーンランドの岩盤に達すると
氷床と地面の間を横に流れて
氷床をその底から融かして行く
それは氷床全体を海へすべり落とす
いわば潤滑油でもある
 
水の出口は
さながらジャグージ
氷塊が次々に海へとくずれ落ちて行く
あるいは氷床が陸を離れ、海を漂流し始める
 
その数量化は最近始まったばかりだ
 
気候変動の暴走
 
10年前はグリーランドの氷床の融解による海面上昇は年0.5ミリだったが
それが今、年1ミリだとボックス教授。
そのペースは今後も5年から12年で2倍と見込まれている。
つまり次の10年で年2ミリのペース
その次は4ミリ…
その次は8ミリ…
 
      2
      4
      8
   16
   32
   64
128
256
512
 
今世紀末には年1メートルのペース!
と言う。
 
最近発表されたIPCCの海面上昇予測はこれらの予測モデルを勘案しておらず
かなり過小に見積もっていることになるとこの
独立系メディア Yale Climate Connections 製作のビデオ
『グリーンランド2014:水を追え』は結んでいる。
 
万年の氷を融かし
もろともに
奈落の底へ
欲も望みも
 
気候変動の暴走も
あの奈落に落ちて行くおびただしい奔流のように
もう人間の手ではどうすることもできないところまで
勢いがついてしまったのか?
 
それは
どんどん前のめりに加速する経済のグローバル化や戦争を求める勢いにもさも似て
暴走を始めた人間の欲望が
地球や人間を滅ぼす押しとどめることのできないほどの勢いを付けてしまったのと
同じことのようにも思えてくる。
 
グリーンランドのあの奈落をのぞき見てぞっとするのは
そんな地獄を垣間見るからなのかも知れない。
 
 
 

↑↓ 上下とも押して頂けると幸いです。

にほんブログ村 にほんブログ村へ

旧ブログの関連記事はこちらのタグから:
https://noraneko-kambei.blog.ss-blog.jp/2014-09-15

タイトルとURLをコピーしました