中国がノーベル賞に対抗して始めた孔子賞。その「孔子平和賞」2015年が、アフリカはジンバブエのロバート・ムガベ大統領(91)に決まっていた。
Zimbabwe’s Robert Mugabe awarded ‘China’s Nobel peace prize’
ジンバブエのムガベ大統領と言えば、野党を激しく弾圧、政権の座に35年という世界でも指折りの独裁者。
経済は数百万パーセントという異次元のインフレ、
壁紙はお金で買うよりお札をそのまま使った方が安上がりとも言われる。
国民の間に三本の「失」〜深刻な失業と栄養失調と失望絶望が広がるなか、今年始め91歳を迎え、
豪華絢爛波瀾万丈疾風怒濤尾極悪非道鯨飲馬食酒池肉林、盛大な誕生パーティが催され、もちろん中国代表も招かれた。今回の決定の理由は、そのときの中国代表団の感激が大きいのではないかとも関係者の間ではささやかれている。
Robert Mugabe is turning 91, feasting on elephant meat as his people starve (ガーディアン紙)
Robert Mugabe eats a zoo for ‘obscene’ 91st birthday party (インディペンデント紙)
仔象を見て食せざるは勇無きなり
子曰、見仔象不食、無勇也。
このとき特に批判を集めたのが、税を尽くし贅を尽くして客人に振る舞った料理の中に仔象が含まれていたことである。しかし、中国はそのことをことさら高く評価したようである。思えば孔子の『論語』にも次のような有名なくだりがあった。
子曰。有悪朋自遠方來。不亦樂乎。捕而時食仔象。不亦美味乎。
それにしてもこのような人物に平和賞とは。ムガベ大統領と言えば、
九十而從心所欲、踰矩(威勢篇2の4)九十にして心の欲するところに従って、矩を踰え(90超えてやりたい放題)、
己所不欲。施於人。己の欲せざる所は他人に押しつけ、政敵は弾圧、拷問にもかける。
結局、独裁は孤ならず必ず隣ありということか(子曰。独裁不孤。必有鄰)。
中国とはかなりのところ同じ穴のムガベ。
(「誤報ポスト」 2015年2月23日 朝刊より)
子曰く、老年酔い易く、学成りがたし