湾岸諸国や米英が関与
略奪や油田が資金源なんて言ってたんじゃいかんよ
シリアからイラク北部にかけて勢力を伸ばす過激なスンニ派集団。
欧米のメディアではISISとかISILと呼ばれてきた。
それが「イスラム国」(IS)を名乗り、カリフ国であるとも言い始めたが、
勢力拡大の背後には湾岸諸国の関与、そしてアメリカ、イギリスの関与があった。
この集団がいかに勢力を伸ばし、戦闘能力を増し、過激化していったか、資金の流れを追うと見えて来るのが、湾岸諸国の関与である。そう指摘するのがイギリスのナフィーズ・アハメド The Powers Behind The Islamic State (2014, Aug. 22)。アハメドは、ガーディアン紙に寄稿するジャーナリスト、学者。小説も書いている。
サウジ、カタール、クウェートの資金援助。それに関しては、米軍関係者、政府関係者、CIA、メディアなどから、さまざまなが証左がある。
そして米英の関与。米英は、この集団にアルカイダとのつながりがあるのを承知で、支援の調整役として関与してきたと言う。アサド体制を内から揺るがし、倒さんがためである。
手がかりの一つはウィキリークスが入手した一連のファイルだった。米軍の幹部が民間の情報系企業ストラトフォーらと交わしたメイルの中に、米軍・英軍の特殊部隊がシリアに内戦の始まるずっと前から潜入していた事実が読み取れると言う。特殊部隊は何をしていたかというと、シリア内の反政府過激派の支援である。彼らを支援し、シリア国内でアサド政権の不安定化を誘おうとしたのである。
ウィキリークスのサイトでストラトフォーを検索すると出てくるわ出てくるわ無数のメイル。読みきれなくて気がめいる。
https://wikileaks.org/gifiles/index.html
ウィキリークスが暴露したストラトフォー社(本社:米テキサス)のEメイルは
500万通を超える!
同社は表向き民間インテリジェンス企業だが、軍需産業や政府省庁に極秘のインテリジェンス・サービスを提供。ウィキリークスはこの一連のファイルを「グローバル・インテリジェンス・ファイルズ」GI Filesと名付けた。
そこから浮かび上がるのがこの事実である:
「ISIS指導部の構造を作り上げたのはアメリカだった」(ウィキリークス)
アメリカはシリアでアサド政権と戦うスンニ派勢力に軍事的な訓練を授けていた
という報道がいくつもある。
ヨルダンでも訓練をしていたとヨルダンの高官が証言している。
ドイツのシュピーゲル誌も伝えた。
http://www.reuters.com/article/2013/03/10/us-syria-crisis-rebels-usa-idUSBRE9290FI20130310
イギリスのガーディアン紙はイギリスやフランスの教官も訓練に加わっている
と書いている。
ただしヨルダンの情報機関関係者によるとイスラム主義の過激な分子は排除している
とのこと。
米、英、仏の政府関係者はいずれもノーコメント。
トルコのインジルリク(NATOの空軍基地がある)近くでも訓練。
イスラエルも協力
http://www.timesofisrael.com/syrian-rebel-commander-says-he-collaborated-with-israel/
トルコからも資金
http://www.breitbart.com/Big-Peace/2014/07/30/ISIS-Fighter-Claims-Turkey-Funds-the-Jihadist-Group
こんなはずじゃなかった?
オサマ・ビン・ラディンだって元々はアメリカがCIAが育てた存在だ。
そして今、湾岸諸国や米英の支援を受けて来た集団の中からISISが大きく台頭し、
あれよあれよという間に支配地域を広げ、破竹の勢い、
手の付けられない所まで来てしまったというわけである。
何しろ地域を支配する。版図がイラク北部の油田地帯にまで伸びる。
手当り次第に人を殺す。欧米からも志願兵が集まる。
イラクは国家分裂の危機だ。
しかし元々はやはりアメリカのネオコン的な連中の画策であった。
右派シンクタンク・ランドなどの入れ知恵でもある。
中東の地政学を陰で操り、地図を自分たちで書き換えようというのである。
テロとの戦いを有利に進めるためだ。石油の権益もある。
狙いとしては、スンニ派のイスラム過激集団をある程度まで支援し、
シーア派イランの影響力を削ぐ、ということ。そのために、
石油が豊富な湾岸諸国を金づるとして利用する。
そうやって過激派同士をけしかけ、イスラム対イスラムの殺し合いを引き起こして、
アメリカとイスラエルが漁夫の利を、という算段であった。
傲慢と短絡の果てに・・繰り返される誤算? それともマッチポンプ?
そこにあるのは短絡的な思考。9.11後のアメリカの傲慢、
イラク戦争前の、後の、アメリカの傲慢とちっとも違わない
と、冒頭紹介したナフィーズ・アハメドである。
自分たちの思い通りに中東を動かせるという甘い見通し。
地図の上に勝手に線を引く、分断統治といった植民地主義、
帝国主義時代の傲慢さそのものではないか、と。
アメリカはイラク軍になんとか軍隊の態をなすようにと訓練をほどこし、
自分たちは撤退した。
一方でシリアのアサドを倒せとスンニ派の過激派に手を貸したところが、
そこから台頭して来た集団は大きく勢力を伸ばしてイラク北部でも版図を拡大。
これまたアメリカが育てたイラク軍とぶつかり合う。
そしてオバマ弱腰、ISに空爆を、地上部隊を、もいちどイラク戦争を
と言い始めたアメリカの一部の人々。
実は彼らこそISを支援してシーア派にぶつけるという、
彼らにしてみれば <毒を以って毒を制する> 策略に
ついこないだまで乗っていた人たちだったりするのである。
思えば1980年代に始まったイラン・イラク戦争は、
かたや前の時代のイランの皇帝がアメリカから買うてーと言われたか、
やたらとアメリカの兵器にご執心で
大のお得意様だったそのアメリカ製の兵器がたまりにたまったホメイニ師のイランと、
かたやサダム・フセインのイラクも新たにアメリカ製の兵器をどんどんもらって、
結局8年も続いた
これまたむごたらしい戦争だった。
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