幸か不幸か ここは福岡 (5)

連続殺人事件

1963年、日本列島を震撼させた事件があった

太陽がぎらりとまぶしくて

殺人

アルベール・カミュの小説『異邦人』まがいの理由なき殺人

でもないが

何の脈略もなく同一犯が次々と人を殺して行く

10月に福岡で1人、また1人

11月に浜松で旅館の親子2人

12月には東京で弁護士が1人

年が明けて1月に熊本のお寺に東京から男が訪ねて来る

福岡刑務所で死刑囚の無実を確信するに至った僧侶

彼が住職をつとめるお寺である

住職は西死刑囚と石井死刑囚の助命運動を始めていた

わらじをはき托鉢、一家総出で全国行脚という運動であった

東京から訪れた男は弁護士と名乗り、住職に向かって

あなたの運動に是非とも協力したい

と語り、お寺に泊まり込む

しかし住職の小学生の娘さんは不審に思った

あのおじちゃんどこか見覚えのあるごたる。。

バス停に貼ってあった写真を見てびっくり

こう書いてあった

連続殺人犯 指名手配中



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