寛流の還流 あるいは大往生

国境なき通訳団、法人をやめました。これからは任意団体です。
 
「寛流」かんりゅうも、ここから新たな形を模索というか、しぼんで行くことになりました。法人閉鎖のきっかけはひょんな乗りでした。。。
 
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おーこれは田中先生、ここのブログにまで登場してもらえるとは嬉しいじゃないですか。でも、私の訳本がいかにも読む価値のないようなこと書かれちゃ困るよ。そんなふうに誤解されかねないよ、重しにするだなんて書かれちゃ。あれはすごい本なんです。現代のシートン動物記というか、時代は寛流、これからじわじわ読まれてくると思うよ。先生は読まないからいけない。

(田中先生) 寛流? なんざ寒流だろうかね。それも時流だよ。やっぱ時流に乗らなきゃ。おなじひろしでも五木ひろしなどもそろそろ年相応の曲を考えた方がいいよ。

(寛兵衛)??? じゃあ、ま、私とは音楽の嗜好が違いますが、先日ここに書いた韓流ドラマの題名作りのような乗りで新しい曲、どうですか?

田中:そう?じゃあ、『寺町の女』なんてのは?

寛流:インパクトいまひとつ。

じゃあ『雨の一周忌』。う一んそれも、今ひとつね。

じゃあ『骨まで愛して』・・・あ、そうか。これはもうあったんだなあ。そんなら、『とげぬきの夜』。

いいね、その感じ。

『北墓場』、『三途の渡し』、『三途の流れに身をまかせ』。

それそれ!その調子。

『死にたくないの』、『死にすぎたのね』、『勝手にしわがれ』、『腰のフラメンコ』。

すごい、すごい、よくもまーそんなに次から次へと。

『特養の恋の物語』、『菊が咲いた』、『飾りじゃないのよヨダレは』、『般若心経をもう一度』、『老女A』、『冥土』、『大往生』

いいね。いいね。『冥土』『大往生』は酒の銘柄にもいい。『大往生』なんてのはとうぜん大吟醸ですよ、これは。入院してる友達の見舞いに手土産なんて、しゃれてる。ついでに『遺言』もどうよ。目の前にど一んと『遺言』の一升瓶を置いてさ。でも、なんだか、高そうな酒だなあ。もっといかにも安そうな酒はないかねえ。安いとなると、う一ん。『先生』なんて、どうですか。そりゃ、安いね。いかにも安い。私も先生してますが。あと『真心』。これも文句なく安いね。それから『友情』。うん、とても安そうだ。『おやじ』はどうですか。安いね。『おかあさん』は。それは、お酒じゃなくて味噌でしょう。やっぱり、極めつけは、辛口の『おじさん』と甘ロの『おばさん』かな。ま、逆でもいいけど。

うん、うちの業界は間違いなくその逆のほうだよ。でも、長い間お世話になった。俺、もう会社を畳むことにしたよ。ブースもこないだ畳んだし。

 こうして新宿ゴールデン街、知る人ぞ知るバーでシルバー酔っぱらいの夜は更けていった。「ああ、1年365日、酒を飲むと飲まざるとは、その損益いくばくぞや。自身はこれを悟れども、自らあらたむるに難しきを嘆ず」

 畳んだ同時通訳ブース:

伝説の自家製ブース。折りたたみ式。

作ってるときがいちばん楽しかった。

換気扇付きの本格ブース。

構想段階では目に入るものすべてが通訳ブースに見えて困った。

素材を生かしたままの姿も捨てがたい味だがふすま紙でも貼るか

大人しくまとめるか、ちょっと冒険をするか

少し華があったほうがいいか

環境関連の会議にいいかも

世の沈滞ムードを一掃!

楽しい気分ならいっその
こと…

あれこれ迷うならあれもこれもと欲張って…

はめを外しすぎちゃいけない

格調高く…

気候変動のセミナーには

森林破壊のシンポ

何言ってるかさっぱり分からない会議用

夢は大きく膨らんだが結局はしぼんでしまったのだった。

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